suzu@kick diary

とあるキックボクサーの九転び十一起きな物語が現在、進行中です。

必要であれば見つかるもの

好きだった古着屋がいつのまにかなくなっていた。

代々木上原にあったその古着店は古着の質もよく、
自分好みのアイテムが多くてお気に入りのお店の一つであった。
行けばいつも気に入ったものをみつけることができた。

そこの古着屋さんをみて、そのあとに歩いて数分のところにある
大好きな老舗のカツ丼を食べて、そして満腹になったら
近くにある古書店で本を手にとって過ごすのが休みの日の
心弾むコースの一つであった。

シャッターが降ろされたお店の外観をみて
ああ、いよいよ閉まってしまったんだなと一抹の寂しさを覚えた。

そこは個人店で自分でアメリカなどから買い付けもしているとのことだった。
店内においてある衣類は自分でクリーニングをして、服をとても大事に扱っていた。
リペアもちゃんとしていて、手入れの仕方などを楽しそうに話す感じなどから
古着が本当に好きな人なんだなというのが伝わってきた。

最後にそこを訪れたときのことを思い出した。
そういえば、お店の人がこんなことを言っていたっけ。

お店がもしかしたらなくなるかもしれないという話になったとき、
次はどこに出すかを知りたいので教えてくださいと僕は聞いた。

その時たしか
「まだお店の場所は決まってなくて。
でも、もしその人にとってそこが必要だったら、何かの力が働いて
そこを見つけることもできるし、
また会いたいと望めばその人に会えたりするもんじゃない?
本当に必要であったらさ、出会うときに出会えるような気がするんだよね。」
と、そのようなことを言われた。

納得したような、そうでないような心持ちではあったけど
ちょっと考えてみて、なるほど、たしかにそうゆうものかもなと
ひとり得心させた。

いまだ、そのお店は見つかっていない。

でも、ふらっといつか立ち寄った古着屋が
まさしくそのお店だった、みたいなことが
ありそうな気が本当にしている。