suzu@kick diary

とあるキックボクサーの九転び十一起きな物語が現在、進行中です。

経年変化を愛でる

とある喫茶店に入った。
そこはもう何十年と続いている歴史ある喫茶店。

店内にきちっと並べられて置かれたテーブルは相当の年数をこの
お店とともに歩んできたのであろう。
ビンテージの服のように長い時を刻んできた風格を備えていた。

テーブルの天板は艶のある琥珀色をしていて、
木目の美しさがくっきりと際立っていた。
お客さんがよく触れる端の部分は色が薄くなって掠れていたが、
それがそのお店のたどってきた歴史の長さを感じさせた。

よく手入れがされていて、決して雑に扱われてこなかったものだなと
一目見てわかった。
吊るされた裸電球の柔らかな明かりがテーブルに
反射していてきれいだった。

まだまだ年季の入り方は及ばずではあるが、我が家のリビングにも
大事にしている木製のテーブルがある。

それは2年ほど前に古道具店で見つけた
松本民芸家具のテーブルだ。ミズメザクラの木材を使用した
どっしりとした佇まい。艶やかな厚みのある天板の木目が美しく、
これはかっこいい、見たときそう思った。

中古であったけど傷もなく新品に近い状態だった。
ものすごく高く僕には手が出ない金額の松本民芸家具
であるが、中古とはいえそれでもやはり高かった。

実際のところ、これは高すぎるかな、、と思い買うのを一度はやめた。
だがしかし、結局は後日買ってしまった。
ずっと使うんだからそう考えたら安いよとか
自分に色々と言い聞かせて。。
それからというもの、食事をしたり、TVを観たり、
本を読んだりするときなど、このテーブルの上で
ほとんどの用事をすませてきた。

買った後に松本民芸家具には一つ一つに作者のサイン
が刻まれていることを知った。どこにあるのだろうと探してみたら、
天板の裏面に手で製作者の名前が彫り込んであるのを見つけた。
その署名からこの作品は
「私の自信作なんですよ、安心して使ってください」
と言っているように思えて頼もしく感じた。

こうやってこの世に自らの生き様を作品という形で
残すことができ、何十年という間もしくはそれ以上の時間を、
大事にしてもらえるということは職人にとっては最上の喜びとなるだろう。

経年変化という言葉があるように皮革や木製の製品は
使い込めば使い込むほど、素材特有のあじわいが増す。

新品にはない輝きが出てきてより一層の愛着がわいてくるものだ。
僕も経年変化を楽しみ、長く使用してきたものには強い愛着がある。
ときに長い年月一緒に生きてきた戦友のように思うことすらある程だ。
そうゆうものは絶対手放さない。

カップの跡がテーブルについたりしたら当初は
いちいち気にしたりしていた。
だけど今はそうゆう生活の跡を見つけるにつけ、
買って本当に良かったと思う。

どんな輝きを放つようになるのか、
これからの経年変化が楽しみである。

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